7月に社員になったばかりの僕が勤めている会社には4半期に一度、社員総会があります。
先日2/4期及び上半期の社員総会があり、そのコンテンツとして『ウェルビーング』という学問についての講演がありました。
このウェルビーイングというものが、最近気になっているコミュニティ論の部分もあったのでとても興味深かったです。
また働く者として非常に大切にしたい内容であり、とても考えさせられるきっかけになりましたので、ウェルビーイングについてと僕の勤めているユニークな会社を紹介します。
『ウェルビイーング』とは?
ウェルビーイングはWell beingと書きます。
そして、肝心の『ウェルビーングとは』の定義はこちらです。
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態をwell beingであるとといい、『幸福』の概念とも言われます。」
このウェルビーイングがいま、経営方針を決める重要な目安として使う会社が増えているそうです。
なぜなら、ウェルビーイングが高い人とは『幸福と感じている人』であり、ウェルビーイングが高い人ほど仕事満足度が高くや卓越した仕事をする傾向がかなり高まります。
卓越した仕事をすることとウェルビーイングの関係性には、さまざまな要因があるそうですが、ウェルビーイングが高い(幸福と感じている)人はポジティブである傾向が高いことがあげられています。
ウェルビーイングの高さと、仕事の『満足度』『成果』に非常に高い相関関係があることから、これまでの『一生懸命仕事をして、成果を出して、幸福を得る』という考え方から、『社員それぞれが幸福を感じることによって、卓越した成果を生み出すことができ、引いては会社組織の生産性の競争優位性を高める』へシフトします。
また、ウェルビーイングが高い人ほど身体的にも精神的にも健康であり、離職率も低いです。
これら会社にとっては至れりつくせりのことから経営方針にウェルビーイングが注目されています。
日本は139ヵ国中132位
『ウェルビーングが高い人は卓越した成果を出す傾向が高いことがはっきりしている』と書いましたが、卓越した成果を出すにはモティベーションや組織の目標に対するコミットメントなどが大切です。
これは『エンゲージメント指数』というもので測ることができます。
エンゲージメント指数とは、組織の成功に貢献しようとするモチベーションの高さ、組織目標を達成するための重要タスク遂行に自分で努力しようとする意思の大きさの指標です。
エンゲージメント指数が高いほど人は、会社や仕事に深くコミットしているということです。
人はエンゲージメント指数の3つの分類に分けることができます。
1.消極的にエンゲージしていない
エネルギーや 熱意を持って仕事をしていない。夢遊病者のように仕事の時間はいるが、時間が過ぎることを待っているだけ。
2.積極的にエンゲージしていない
ただ幸せでないだけでなく、その不幸せを行動に表している人たち。他の従業員の足を引っ張っている。
3.エンゲージしている
熱意を持ち、会社と深い絆を感じている。イノベーションを起こし、会社を前進させている。
この3を占める割合が世界平均が『11%』で、効率性・生産性を重んじるアメリカは『30%』では日本は?
日本における『3.エンゲージしている』の占める割合は『6%』です。
94%もの人がエンゲージしていないという、統計を取った139ヵ国中132位の数字です。
仕事に熱中しない要因
そもそもウェルビーイングはこの6つの指標で測られています。
1.心理的健康
2.繋がり
3.経済的安心
4.地域貢献
5.キャリア
6.身体的健康
このうち『キャリア』が、先ほど書いたエンゲージメント指数『仕事・会社に熱意を持ってコミットできているか』です。
このキャリアは、上長との関わり方と職場の対人関係に左右されるそうです。
自分が上長(上司)からどんな風に見られていると感じるかで、仕事に対するエンゲージメントに深く影響されるというデータがあります。
1.「強みも弱みも見てくれない」
離脱しない:60%
仕事から積極的に離脱:40%
2.「主に弱みだけ見られている」
離脱しない:78%
仕事から積極的に離脱:22%
3.「主に強みを見てくれている」
離脱しない:99%
仕事から積極的に離脱:1%
日本では、ダメなところを指摘する習慣があります。
それでは、人は伸びない=仕事にエンゲージメントしないということですね。
ここから逆に考えても、幸福と感じていない人=ウェルビーイングが低い人が、卓越した成果を出すとは考えにくく、また離職につながるのもうなづけますね。
会社、組織にとって属している人のウェルビーイングをあげることは絶対に必要なのです。
あなたにとって『理想の組織』とは?
社員総会でのウェルビーングのセミナーが終盤に差し掛かかり、セミナーの感想として「あなたにとって『理想の組織』とは、を隣の人とはなしあってください。」となりました。
僕の隣に座っていたのは、まさかの社長!
社長とは入社以降、2週間に1回のミーティングで顔を合わしているが、2人で話したことなんてなかったので変な緊張しましたが、このグループの社長の「『理想の組織』とは?」を聞けるってめっちゃ贅沢なことにすぐに気づきました。
そして、僕自身の『理想の組織』をまず話し、そしてすぐに聞く体制になりました。
ちなみに、僕の『理想の組織』とは、「社会的使命を持ちその名のもとに行動しており、風通しの良い対人関係と情報公開がそれを支える組織」です。
組織、というよりも会社になってしましましたが。
さて、僕の話は置いておいて、社長の『理想の組織』とはなになのかです。
これが目から鱗でした。
理想の組織とは、組織の外にいる人たちが組織の決定をできる組織
目から鱗、というよりも最初はちょっと考え込んでしましました。
それが、どういった状況なのか想像できなかったのです。
ただ、このグループが向かっている方向を振り返ると腑に落ちました。
会社→グループ→コミュニティ
僕の会社は株式会社ガイアックスです。
ミッションは「人と人をつなげ、社会課題の解決を目指す」です。
ガイアックスは基幹事業の1つとして、積極的にスタートアップに投資しています。
また『カーブアウト・オプション制度』という独特の制度があります。
これは「事業リーダーが申請すれば、いつでも事業を子会社化することができる」という制度です。
子会社化すると、事業メンバーに対して全株式の50%までのストックオプションと、外部からの資金調達を含めた資本政策の決定権限が付与されます。
いわば「会社に所属しながらにして自分の事業を一部自分の会社にできる」制度です。
これらのおかげもあり、ガイアックス本体だけでなく、ガイアックスグループにはとてつもない数の事業者、人が関わっています。
そして、数ヶ月前から自社ビル内の一部を、どなたでも使えるようにオフィスを解放しました。
一部と下記に書いているようにかなり広範囲です。
それに高速Wifiにもコンセントも使えますし、アイス・ホットコーヒーも飲めます。
驚くのはこれらすべて無料なんです。
これはガイアックスコミュニティという取り組みです。
ガイアックスコミュニティのおかげで、ビルはいつも多くの人で賑わっています。
この取り組みを見ても、ガイアックスは「会社からグループ、そしてコミュニティへ」と進化しています。
この進化が先ほど社長が言った理想の組織「組織の外にいる人たちが組織の決定をできる組織」が理解できます。
まとめ
「人々が、自分の幸福とはなになのか立ち止まり考え始めている。」
といういまの時代。
組織や会社がウェルビーイングを意識することはもちろん、1人1人が『幸福論』を持ち、そして他者の『幸福論』を尊重することが、ウェルビーイングが高い組織、会社、社会ににつながっていくのではないかと思います。
あなたはウェルビーイングどうですか?
そして『理想の組織』『理想の社会』とはなにですか?